振袖の着用時には、シミや汚れがつかないように気をつけるべきです。しかし、十分に気をつけていても、振袖にシミが付くことを完全に防ぐことは難しいです。とくに振袖をレンタルしている場合は、返却時のことを考えて慌ててしまうことでしょう。そこで本記事では、振袖にシミがついてしまった場合の応急処置や、シミ抜きの注意点を解説します。
目次
振袖のシミの種類
振袖に付いたシミは、いくつかの種類に分類できます。
まず、水溶性のシミは水に溶けやすく、油分をほとんど含まないシミです。一方、油溶性のシミは油分が多く、水には溶けにくい性質があります。動物性蛋白質を含むタンパク系のシミは、特に熱で固まる特徴があり、注意が必要です。
不溶性のシミは、油や水にも溶けにくく、泥汚れや泥ハネは不溶性に分類されますが、処理法がやや異なります。また、カビのシミなど、これらに該当しないその他の汚れも存在します。
飲み物によるシミ
飲み物によるシミは多くが水溶性です。
しかし、牛乳やミルクティー、カフェラテ、ヨーグルトなど乳製品を含む場合は、タンパク系のシミとして対処します。食べ物のシミも、種類によって異なります。醤油は水溶性、ドレッシングは油溶性、マヨネーズや肉汁を含むソースはタンパク系のシミとして処理します。
メイクによるシミ
メイクによるシミは、ファンデーションや口紅、グロスは油溶性、アイライナーやマスカラは不溶性に分類されます。
また、基礎化粧品による汚れも油溶性です。ボールペンやインク系の汚れは、油性ボールペンやマジックペンは油溶性の汚れとして扱うことが多いです。一方、水性ボールペンやゲルインクは不溶性となります。
豪雨・雪による汚れ
最後に、豪雨や雪による振袖の汚れについてです。
泥ハネの場合は泥汚れとして対処し、雨による水濡れや色にじみはその他の汚れとして処理されます。
種類ごとのシミ抜き方法と応急処置
次に、シミの種類ごとのシミ抜き方法や応急処置についてみていきましょう。
水溶性シミのシミ抜き方法
水溶性シミ(お茶、ジュースなど)は水に溶けやすく、早めに対処することで簡単に取り除けます。
ガーゼや中性洗剤を使用して、シミを軽く叩きながら処理しましょう。シミが落ちにくい場合には、洗剤を加えて処理します。水洗い可能な素材は、その後全体を水洗いしますが、正絹などのデリケートな素材は特に注意が必要です。
油溶性シミのシミ抜き方法
油性シミ(ファンデーション、ドレッシングなど)は水ではなく油で溶けるため、ベンジンを使って処理します。
ベンジンをガーゼに染み込ませて、シミを叩くようにして取り除きます。ベンジンの輪ジミが残らないよう、処理後は水洗いできる素材ならば洗剤で全体を洗いましょう。
血液シミ・タンパク質汚れの応急処置
血液や牛乳などのタンパク質汚れは、早めに冷水で処理することが重要です。
タオルでシミを叩いて汚れを取り、乾いたタオルで水分を取り除きます。時間が経過した血液シミは応急処置だけでは取れないため、専門店での処理が推奨されます。
泥汚れの応急処置
泥汚れは砂粒が原因のため、乾燥させてから歯ブラシで優しく払い落とします。
水洗いできる素材であれば、液体洗剤を使って洗いましょう。また、大きな泥汚れは専門店に持ち込むのが無難です。
不溶性シミの応急処置
マスカラや錆などの不溶性シミは、水や油に溶けず、自分での処理が難しいです。そのため、専門店に早めに持ち込むのがベストです。
シミ抜きにおける注意ポイント
振袖に付いたシミは、上記のような適切な対処を行うことで、ある程度キレイにすることが可能です。
しかし、シミ抜きを自分で行う際にはいくつかの注意点があります。
原因不明のシミは自分で処理しない
まず、原因不明のシミは自分で処理をしない方が良いとされています。
シミの原因が分からないと、誤った方法で処理してしまい、シミが取れにくくなる恐れがあるからです。水溶性、油溶性、不溶性など、シミの性質に合った処理が必要であるため、専門的な知識がない場合は無理に自分でシミ抜きをしない方が良いでしょう。
時間が経ったシミの自分でのシミ抜きは非推奨
次に、時間が経った古いシミも自分でのシミ抜きは推奨されません。
シミが付着してから時間が経過すると、色素と繊維が強く密着し、汚れが落ちにくくなります。特に、コーヒーや醤油、赤ワインなどの水溶性のシミや、体に接触してできたタンパク質系のシミは早く固まりやすく、数時間で取れにくくなります。
油溶性のシミであれば、数日程度であればベンジンを使って自分で処理することも可能ですが、古いシミや変色したシミは自分で処理するのは難しいです。
大きなシミの処理は避ける
また、大きなシミは自分での処理は避けた方が良いとされています。
大きなシミは、シミを取るために水分や溶剤を多く使用する必要があり、結果として輪ジミができたり、生地が毛羽立ってしまうことが多いためです。特に、直径3〜5センチ以上のシミは、クリーニング店に依頼するのがおすすめです。
まとめ
本記事では、振袖にシミがついてしまった場合の対処法と注意点について解説しました。シミの種類は水溶性、油溶性、タンパク質系、不溶性などに分かれ、それぞれ適切な応急処置が必要です。例えば、水溶性のシミは水での処理が可能ですが、油溶性シミにはベンジンが必要になります。特に、タンパク質系のシミは冷水で早めに処置をすることが重要です。しかし、原因不明のシミや時間が経ったシミ、大きなシミは自己処理せず、専門店に任せることが推奨されます。シミに合った対処をしないと、生地を傷める原因となるため、慎重に対応することが大切です。
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