振袖にはさまざまな色柄があるため、選ぶ際に目移りしてしまうことでしょう。そして、振袖の色や柄には、それぞれに意味が込められています。本記事では、そんな振袖の色・柄の意味を詳しく紹介します。振袖選びで悩んでいる人は、本記事で紹介する「込められた意味」を参考にしてみてはいかがでしょうか。
成人式で振袖を着る意味
成人式で女性が振袖を着る理由は、成人のお祝いと厄除けの意味に深く関連しています。まず、振袖は晴れ着としての役割を果たし、成人を祝う通過儀礼にふさわしい装いです。成人式は古代から続く風習で、元は奈良時代の男子の成人を祝う儀式から発展しました。
現在の形になったのは戦後すぐで、各地で成人を祝う行事として定着しました。この正式な儀式にふさわしい装いとして、未婚女性の最も格が高い第一礼装である振袖が選ばれるようになったのです。振袖は、その豪華さと格式の高さから、成人という大きな節目を迎える女性にふさわしい衣装とされています。
また、振袖には女性の厄年である19歳の厄除けという意味も込められています。古くから、厄年には「長いもの」を身につけることで厄を払うと信じられてきました。そのため、袖が長い振袖や帯は、厄年に適した厄除けのアイテムとされています。とくに振袖の長い袖は、厄を振り払うという象徴的な意味を持ち、災難や病気から身を守るための厄払いと清めの力があるとされています。
振袖の色の種類と意味
振袖の基本となる色は「赤」「青」「黄」「白」「黒」の5色です。これらは陰陽五行説に由来する色です。
また、現代は「緑」「ピンク」「紫」など色のバリエーションも増えています。それぞれの色の特徴や意味についてみていきましょう。
赤色の意味
「赤」は神聖な色とされ、邪気を払う力を持つと信じられています。太陽や炎を象徴し、華やかで力強い印象を与え、厄除けや晴れ着として最適です。
青色の意味
「青」は空や海を思わせ、知性や落ち着きを感じさせる色で、高貴さや神聖さを象徴します。とくに「藍色」は日本の伝統的な色として人気があります。
黄色の意味
「黄」は春を象徴する明るく元気な色で、豊かさを感じさせます。琉球では王族の色として知られ、振袖では明るい黄色やくすんだからし色が選ばれています。
白色の意味
「白」は清らかさや純粋さを象徴し、平安時代から優美さを表す色として重宝されてきました。透明感のある白は振袖の人気色の一つで、コーディネート次第でさまざまな印象を与えられます。
黒色の意味
「黒」は冠婚葬祭で広く用いられる色で、神秘的なイメージを持つことから、フォーマルな場面に適しています。黒の振袖はクールで大人っぽい印象を与えます。
緑色の意味
「緑」は自然を連想させる癒しの色で、若さや成長を意味します。振袖に描かれる花柄とも相性が良く、落ち着いた印象を持っています。
ピンク色の意味
「ピンク」は可憐で上品な印象を与える色で、平安時代にも流行しました。桜や桃の花の色として、柔らかく優しい雰囲気を持つ振袖にぴったりの選択肢です。
紫色の意味
「紫」は高貴な色として知られています。優雅で気品のある紫色は、大人っぽくシックに着こなしたい方におすすめです。
振袖の柄の種類と意味
振袖には色だけでなく、さまざまな意味を持つ「柄」も重要な要素です。特に日本の伝統的な「古典柄」は、古くから親しまれ、お祝いの場にふさわしい意味を込めています。
中でも「吉祥文様」と呼ばれる柄は、特に縁起が良いとされています。
松竹梅の意味
代表的な古典柄の一つに「松竹梅」があります。これは松、竹、梅の三つの植物をモチーフにしたもので、いずれも厳しい冬を耐え抜く強さや、春を迎える喜びの象徴です。松は寒い冬でも緑を保ち、竹は寒中でもまっすぐに伸び、梅は早春に美しい花を咲かせます。
中国で尊ばれてきたこれらの植物は、日本でもお祝いごとに欠かせないモチーフとなり、成人式の晴れ着としても非常に人気があります。
橘の意味
次に、日本独自の吉祥文様である「橘(たちばな)」があります。この柄は古代日本でみかんを意味し、長寿や子宝を象徴する縁起の良い植物として広く用いられています。橘は、かわいらしい丸みを帯びた形状が特徴です。振袖に使うとその印象を柔らかく、華やかにします。
特に、娘の成人を祝う場面においては、健やかな未来を願う意味が込められることから人気のあるモチーフです。
熨斗の意味
さらに「熨斗(のし)」柄も多くの振袖にデザインされています。もともとはアワビを乾燥させた「のしあわび」に由来し、縁起物としてお祝いの席で使われてきました。現在でも、簡略化された熨斗がご祝儀袋に添えられるなど、祝い事の象徴として広く認知されています。
この柄は「長いもの」を身につけると良いとされる厄年の厄除けにも適しており、流れるような美しいデザインが人気です。
まとめ
振袖の選び方は、その色や柄に込められた意味を理解することでより深まります。振袖の色には「赤」「青」「黄」「白」「黒」といった基本色があり、それぞれに意味があります。赤は邪気を払い、青は知性を象徴し、黄色は明るさと豊かさ、白は清らかさ、黒はフォーマルさを示します。また、緑やピンク、紫といった現代的な色も人気です。柄には、松竹梅や橘、熨斗といった吉祥文様があり、これらはお祝いの場にふさわしい意味を持ちます。松竹梅は冬を耐え抜く強さを、橘は長寿や子宝を、熨斗は祝い事の象徴として、振袖のデザインに華を添えています。振袖選びで悩んでいる方は、これらの意味を参考にして自分にぴったりの一着を見つけてください。
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