振袖は、人生に一度の大切な日に身にまとう特別な装いです。色や柄ばかりに目が向いてしまいますが、実はサイズ選びも重要です。振袖はサイズが合っているかどうかで、見た目の印象が大きく変わります。本記事では、振袖のサイズについて基本から解説し、後悔のない一着を選ぶためのポイントをご紹介します。
振袖選びで押さえておきたいサイズの基本知識
振袖は洋服と違い、単純に「S・M・L」で選べるものではありません。いくつかのポイントとなる寸法を組み合わせて、自分に合う一着を探していくものです。ここでは、とくに重要とされる3つのサイズについてご紹介します。
着姿を左右する「身丈」の考え方
身丈とは、首の後ろにある骨の出っ張り部分から、裾までの長さのことです。着付けをしたときに、お腹のあたりで折り上げて作る「おはしょり」の分も、この身丈に含まれています。そのため、短すぎるとおはしょりを作れず、見た目が不自然になることがあります。反対に、ある程度長さがあれば着付けで調整ができますので、迷った場合はやや長めを選ぶ方が安心です。身丈は振袖姿の全体バランスを整える重要なポイントといえるでしょう。
全体の印象を左右する「裄丈」
裄丈とは、背中の中心から腕を通って袖口までの長さです。この長さが合っていないと、せっかくの振袖もどこかちぐはぐな印象になってしまいます。裄丈が短いと手首が出すぎてしまい、反対に長すぎると借り物のような印象を与えることがあります。理想は、手首のくるぶしが少し隠れるくらいの長さです。写真を撮ったときにも目立ちやすい部分ですので、しっかり確認しておきたいサイズのひとつです。
振袖らしさを演出する「袖丈」
袖丈は、振袖ならではの華やかさを表現する重要なポイントです。一般的な着物よりも長く作られているのが振袖の特徴ですが、この長さは着付けでは調整できません。長すぎると歩くたびに踏んでしまうことがあり、短すぎると振袖らしい優雅さが弱くなります。袖丈は見た目の美しさに直結するため、デザインや柄とあわせて慎重に確認する必要があります。
振袖のサイズを測るときに知っておきたいコツ
自分に合った振袖を選ぶためには、まず自分の体のサイズを知ることが大切です。ただし、普段の服を選ぶときのように自己判断するのではなく、正しい方法で測ることが重要になります。
身丈は身長プラスαで考える
身丈は、基本的に身長に5センチほど足した長さを目安にするとよいとされています。ただし、体型によって必要な長さは少し変わります。ふくよかな体型の方は、おはしょり部分に布を多く必要とするため、さらに数センチ余裕を見ておくと安心です。短すぎる場合は調整が難しくなるため、長さには余裕をもって選ぶことが大切です。
裄丈は腕の角度が重要
裄丈を正確に測るためには、腕を斜め45度ほど上げた状態で測るのがおすすめです。首の付け根から肩先を通り、手のくるぶしまでを一続きで測ります。このとき、腕を自然に伸ばして測らないと、実際よりも短くなってしまうことがあるため注意しましょう。ひとりで測るのは難しいため、必ず誰かに手伝ってもらうようにしてください。
ヒップサイズも忘れずに確認
振袖の前幅や後幅を決めるためには、ヒップサイズも重要な目安になります。とくに立ったときだけでなく、座ったときの窮屈さも考慮する必要があります。ヒップの一番高い部分を測り、余裕をもって仕立てられるよう意識しましょう。見た目だけでなく、長時間着ていても苦しくならないための大切なポイントです。
自分に合う振袖を選ぶために気を付けたいこと
サイズが合っているかどうかは、試着をしてみないとわからない部分も多くあります。ここでは、選ぶ際に意識しておきたい注意点をご紹介します。
サイズ表記はお店ごとに違う
振袖は、同じサイズと書かれていても、お店によって実際の寸法が異なる場合があります。表示だけを見て判断せず、必ず具体的な寸法を確認することが大切です。試着ができる場合は、実際に袖を通して確認しましょう。
ネット購入は慎重に
写真だけで選ぶ通販は便利ですが、サイズ感がわかりにくいという欠点もあります。とくに振袖のように細かいサイズ調整が必要な衣装は、実物を見て選ぶ方が安心です。どうしてもネットで購入する場合は、詳しいサイズ表を確認し、不安な点があれば問い合わせるようにしましょう。
自己採寸に頼りすぎない
自分で測ったサイズは、どうしても誤差が出やすくなります。振袖はほんの数センチの違いで着姿に影響が出るため、専門スタッフに測ってもらうのが理想です。正確な採寸が、美しい着付けへの第一歩です。
譲り受けた振袖も直すことで着られる
母親や姉妹の振袖を着たい場合、サイズが合わないこともありますが、多くは仕立て直しで調整ができます。完全に合わないからといって諦める必要はありません。専門店に相談すれば、体型に合わせて直してもらえる場合がほとんどです。
小物のサイズもあわせて確認する
振袖だけでなく、草履やバッグ、帯締めなどの小物もサイズ選びに関係します。草履が小さいと足が痛くなり、大きすぎると歩きにくくなります。全体のバランスを考えながら、小物まで含めて確認することが大切です。
まとめ
振袖選びでは、色や柄だけでなくサイズをしっかり確認することが、美しい着姿につながります。身丈や裄丈、袖丈をきちんと把握し、自分に合った一着を選ぶことで、当日の安心感も大きく変わります。しかし、自分ひとりで判断するのは難しい場面も多いものです。正しいサイズで、より美しく振袖を着たい場合は、振袖専門店で相談することをおすすめします。専門スタッフによる採寸やアドバイスを受けることで、不安を解消しながら納得のいく一着を選ぶことができ、大切な日をより自信をもって迎えられるでしょう。
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